ハウテレビジョン技術ブログ

『外資就活ドットコム』『外資就活ネクスト』『mond』を開発している株式会社ハウテレビジョンの技術ブログです。

開発チームの新たな取り組み "開発Days"とは

ご無沙汰しております。

外資就活ドットコム・外資就活ネクストの開発チームです。

半年以上ぶりの投稿になります。

この間、弊社の中途転職者向けキャリア支援プラットフォームである『Liiga』は『外資就活ネクスト』というプロダクト名でリスタートし、直近ではスマホ向けアプリをリリース致しました。

日々機能を進化させているので、ぜひご活用ください。

・Web:https://next.gaishishukatsu.com/

・iOSアプリ: https://apps.apple.com/jp/app/外資就活ネクスト-アプリ-ハイクラス転職なら外資就活ネクスト/id6749070764

・Androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=how.gssktnext.app&hl=ja



さて、今回は外資就活ドットコム・外資就活ネクスト開発チームで新たに始めた「開発Days」という取り組みについてご紹介します。この取り組みは、エンジニアが主体となって技術的な課題に向き合い、プロダクトの持続的な成長を支える基盤を作ることを目的としています。

「新規機能開発と技術負債の解消をどう両立させるか」「日々のプロダクト開発の中で未来につながる技術検証をどうやっていくか」「複数チームを横断した知見共有をいかに促進するか」といった課題は、多くの開発組織が直面している共通の悩みではないでしょうか。本記事が、同じような課題を抱える開発チームの参考になれば幸いです。

ハウテレビジョンの「開発Days」とは

我々は開発Daysを以下のように定義しました。

・技術的なボトルネックに腰を据えて取り組み、開発効率や品質の向上を実現する

・プロダクトの未来につながる先進的な技術検証や基盤開発を行う

・チーム横断での知見共有と技術的な相互理解を深める

端的に言えば、通常のプロダクト開発とは異なる視点で、短期的には見えにくいが中長期的にプロダクトの競争力を高める活動を、エンジニア主導で集中的に行う時間です。

毎月連続した2日間実施し、この2日間は通常のプロダクト開発から一時的に離れ、エンジニアが「コード品質をこうしていきたい」「これを改善すれば開発速度が上がる」と感じている技術的な課題に、思い切って取り組める機会となっています。重要なのは、これが単なる「お勉強の時間」ではなく、明確にプロダクトの価値向上につながる活動である点です。

開発Daysを始めた背景

外資就活ドットコムのプロダクトでは、2024年に大規模な技術刷新を実施しました。フレームワークの更新、アーキテクチャの見直し、レガシーコードの撤廃など、数ヶ月にわたる大プロジェクトでした。

この経験から得た最大の教訓は、「技術負債は溜め込むほど解消コストが指数関数的に増大する」ということでした。大規模なリファクタリングは、開発の停滞、リリースの遅延、そして何よりエンジニアの疲弊を招きます。

一方で、プロダクトは成長フェーズにあり、ユーザーからの要望や新機能のアイデアは日々積み上がっています。ビジネスサイドからの期待も高く、「今すぐこの機能が欲しい」という声に応えることも重要です。

この「機能開発のスピード」と「技術的な健全性の維持」という一見相反する要求を両立させるため、我々は「定期的に技術改善に集中する時間を確保する」という仕組みが必要だと考えました。そこで生まれたのが、毎月連続した2日間を確保する「開発Days」です。この取り組みは、技術負債を「後で一気に返済する借金」ではなく「日々少しずつ返済する住宅ローン」のように扱うアプローチと言えるでしょう。

また、エンジニアチームとしては「今すぐには見えないが、将来確実に価値を生む取り組み」にも時間を割きたいという強い思いがありました。

例えば、生成AIの急速な進化により、プロダクト開発の在り方自体が大きく変わろうとしています。GitHub Copilot・Claude Codeのようなコーディング支援ツールから、AIを活用した機能開発まで、新しい技術の波が押し寄せています。これらの技術をいち早く検証し、プロダクトに取り入れることで、競合他社との差別化を図ることができます。しかし、日々のプロダクト開発に追われていると、こうした「未来への投資」がどうしても後回しになってしまうケースも多いです。

さらに、複数のチームが並行して開発を進める中で、「隣のチームが何をやっているのか分からない」「同じような課題を別々に解決している」といった非効率も生まれていました。あるチームが開発した便利なツールや、解決した技術的な課題の知見が、組織全体に共有されずに埋もれてしまうケースも少なくありませんでした。

開発Daysは、こうした「緊急ではないが重要な取り組み」に対して、組織として正式に時間を確保し、エンジニアが心理的安全性を持って挑戦できる場を提供するものです。「この2日間は日々のプロダクト開発から離れて技術的なチャレンジをしても良い」という明確なメッセージを組織として発信することで、エンジニアの創造性と主体性を引き出し、結果としてプロダクト全体の競争力向上につなげることを目指しています。

実際にやってみて

第1回の開発Daysを実施した結果、想定以上の成果を得ることができました。ミーティングや割り込みタスクを極力排除し、開発に集中できる環境を整えたことで、2日間という短期間でも具体的な成果を生み出すことができたのです。

実際に取り組んだプロジェクトの一例をご紹介します:

技術基盤の改善

・モバイルアプリのパフォーマンス改善につながる負債解消

・検索機能のインデックス最適化によるパフォーマンス改善

開発生産性の向上

・AIを活用した見積もり自動化

・Figmaデザインからのコード自動生成システムの構築

未来への投資

・生成AIを活用した新機能のプロトタイプ開発

運営面では、1日目の朝に「開会式」として各チームが取り組むテーマと目標を発表し、2日目の夕方に「閉会式」として成果発表と質疑応答を実施しました。この発表会では、技術的な深い議論が交わされ、「そんな方法があったのか」「うちのチームでも使えそう」といった発見が多数ありました。

また、普段は別々のプロダクトを担当しているメンバー同士でシャッフルランチを実施し、技術的な悩みや工夫を共有する機会も設けました。この横のつながりが、その後の日常業務でも活きており、チーム間での技術相談が活発になったという副次的な効果も生まれています。

今後の展望

第1回の開発Daysは成功と言える結果でしたが、同時にいくつかの課題も見えてきました。

改善すべき点

・テーマ設定の基準が曖昧で、チームによって取り組みの粒度にばらつきがあった

・成果の定量的な測定方法が確立されていない

・得られた知見を組織全体に浸透させる仕組みが不十分

これらの課題を踏まえ、今後は改善を進めていく予定です。

最終的な目標は、この取り組みを通じてチーム全体の技術力と品質意識を継続的に向上させ、「速く作る」と「良いものを作る」を高いレベルで両立できる開発組織を実現することです。開発Daysは、その実現に向けた重要な一歩だと考えています。

まとめ

今回は、外資就活ドットコム・外資就活ネクストの開発チームで新たに始めた「開発Days」という取り組みについてご紹介しました。

次回以降、開発Daysでの具体的な取り組みの詳細について共有していく予定です。ぜひご期待ください。

開発Daysのような取り組みにご興味を持たれた方、あるいは既に似たような取り組みを実践されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報交換させていただければと思います。技術コミュニティ全体で知見を共有し、より良い開発文化を作っていければ幸いです。

最後に、今回ご紹介した開発チームの取り組みに共感いただけるエンジニアの方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちのチームにジョインしませんか?弊社では、一緒に技術的な課題に取り組んでくれるエンジニアを募集中です!

現在募集中の採用情報の詳細は下記をご覧ください。

https://herp.careers/v1/howtv/requisition-groups/dfc2cc4a-edcc-49c0-9d83-b5870b734c04